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2007.08.04 Saturday

佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2007『魔笛』

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    佐渡裕芸術監督プロデュースオペラ2007『魔笛』 兵庫県立芸術文化センター大ホール 2007年8月3日

    ■音楽 ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト
    ■台本 エマヌエル・シカネーダー
    ■初演 1791年9月30日ウィーン・アウフ・デア・ヴィーデン劇場

    ■芸術監督・指揮 佐渡 裕
    ■演出 エマニュエル・バステ
    ■装置・衣装 アントニー・マクドナルド
    ■照明 フランソワ・トレ

    【個人的感想】
    魅惑的な侍女3人(並河寿美、南智子、浅井美保)の助けによってタコのような怪物の難を逃れた正統なタミーノ王子(ゴードン・ギーツ)はコミカルな自然児パパゲーノ(ヨーゼフ・ワーグナー)と共にパミーナ(マリー・アーネット)を救うこととなります。タミーノの”絵姿のアリア”はパミーナへの恋心がよく伝わります。舞台の上には水辺があり、夜の女王(ジェーン・アーチバルト)が登場するシーンではカーテンとベッドがとても印象的です。母性の情念と官能の世界を象徴しているようにも思われます。厳格で理知の人ザラストロ(エリック・ハーフヴァーソン)の世界は父性的な叡智による統括をもって真理を追究しているようですが、本と砂に埋もれており、潤いを感じさせません。この対比はとても美しいものがあります。夜の女王の”恐れずに、若者よ!”、”地獄の復讐が我が心に煮えかえる”は人の魂を掴むほどの凄みで圧巻です。対してザラストロの”イシス、オシリスの神よ、願わくば”、”この聖なる殿堂には”は非常に深みと落ち着きがあり、厳かな響きがあります。

    この二元世界の間にタミーノとパミーナの試練が起こります。パミーナの”ああ、私にはわかる、幸福が永遠に去ってしまったことが!”は彼女の絶望がヒシヒシと伝わります。しかし、沈黙の誓いを守り通したタミーノは、パミーノと和解し、二人で新たな試練を受けることとなります。数千年を経た槲(かしわ)の木で稲妻と雷、嵐と大風のときに作られた「魔笛」の力をもってして、火と水の試練を乗り越えた二人は、幸福のうちに結ばれ、美と叡智の高みの上ることができます。一方、パパゲーノは沈黙の誓いを破ってしまい、天上の喜びを受けることができないとされます。しかし、三人の童子のアドバイスで「グロッケンシュピール」を奏で、パパゲーナと地上的に結ばれることができます。”パパゲーナ、パパゲーナ、パパゲーナ”はパパゲーノ、パパゲーナ、三人の童子の喜びがストレートに伝わる明るい曲です。懲りないモノスタートス(フランソワ・ピオリーノ)、夜の女王、3人の侍女も一掃され、ザラストロと一同は”太陽の輝きが夜を追い払い”を誇り高く荘厳に歌い上げます。浄められた人々よ万歳!

    母性と父性から独立し、男性性と女性性が統合されることで、太陽としての真の自己を見出すことができました。タミーノとパパゲーノの対比も重要で、どちらもそれぞれの世界で幸福を勝ち得ます。若くて美しく賢い3人の童子のサポートは、いつも私達にも与えられていると教えてくれます。何よりも、音楽が象徴する「調和」こそが美と叡智の高みに導くことができるのでしょう。

    演出、装置、衣装がとても美しくシンプルだったおかげで、『魔笛』の音楽性と演劇性が際立った舞台でした。色使い、照明も計算されており、大満足です。ただ、「魔笛」の美しい調べに集まってくる獣が蠍とある虫であったことが驚きです。どのような獣性、意識も調和するという意味では効果的な演出でしたが、度肝も抜かれました。モーツァルトはフリーメーソンの会員であったとされ、その秘教的なテーマが『魔笛』には流れています。今回の舞台は、心理学的にも非常に深い洞察を与えてくれます。そして、舞台と客席が一体となった今回の『魔笛』は素晴らしいものがありました。佐渡裕指揮者をはじめとする芸術家・舞台人に感謝いたします。

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